こんにちは、金沢座のMOKOです。
金沢で美術館といえばどうしても21世紀美術館が人気で、観光客の方々も21世紀美術館に訪れる方が多いと思います。私も金沢に移住して、もう1年半が過ぎましたが、ようやく県立美術館に足を運びました。
常設展
今回はイベントの展示ではなく、常設展を見るために訪れました。3部屋のみの展示だったため、チケット料金は団体料金の290円でした。
第1展示室
江戸時代の雉香炉の展示でした。雌雄の雉で、どちらも野々村仁清の作品です。国宝と重要文化財です。
普段知っている香炉は手のひらに乗るくらいの小さなものですが、こちらの香炉は40~50㎝ほどあり、ほぼ雉の等身大のとても立派なものです。
凛々しい顔立ちと、美しい色使いで迫力があります。上下2つに分かれていて、中は少し茶色になっているということで、こちらを大切に使っていた形跡があるそうです。どんな立派なお屋敷で、この香炉を使って客人をもてなしていたのでしょうか。300年も昔の人が大切にしていたものから、加賀の文化の香りを感じます。
石川県立美術館のホームページより
前田育徳会分館
前田家武の装いということで立派な鎧兜と、陣羽織などが展示されていました。前田家は武力よりも文化や芸能に重きをおいて、客人をもてなし、百万石の大藩を築いたというイメージでした。ですが、この展示をみて、そのイメージはあっさりと覆りました。その厳つい鎧兜からは、武力にもかなり力を入れて、備えていたことがわかります。
陣羽織は鎧の内側に着る羽織ですが、文様や紋がシンプルかつとても目立つ色使いです。内側の布にも細かい模様が入っていたりして、手の込んだつくりをしていました。現代のような縫製技術がないころですから、手縫いで作っていたはずです。200~300年前のものですが美術館に展示されていても、全く色褪せない立派なもので作り手の魂がこもっている迫力がありました。
第2展示室
加州刀と加賀象嵌鐙。こちらの部屋に入った瞬間、刀の美しさに一瞬驚きました。ガラスのケースの中に展示されているとはいえ、人生で初めて本物の刀を間近で見ました。その芸術的価値から日本刀マニアがいるのも納得する魅力があるものだと思いました(笑)
現代の人々の生活には無縁のものですが、ほんの数百年前はこんな立派なものを腰に差して歩いている人がいたなんてと思うと、とても不思議です。
古九谷コレクション
私が持っている九谷焼の元になっている古九谷の大皿が展示されていました。九谷焼きは定番の模様や、色使いがわかりやすい特徴があります。300年も前の人が考えた模様を現在もずっと引き継いで制作しているなんて、よく考えたらすごい事ですよね。九谷ブランドは国内外でも人気があるその理由がよくわかります。
色絵石畳双鳳文平鉢
石川県立美術館のホームページより
我が家の石畳双鳳文の大皿
ルミュゼドゥアッシュ
美術館の中にあるカフェは、石川県出身の有名パティシエ、辻口博啓さんのお店です。美術館の半券を持っていると、なんとお飲み物が200円引きになるということで、ついお邪魔してしまいました。
窓際の席からは緑がお生い茂るお庭が見えます。
こちらは美術館の中にはありますが、このカフェだけの為にこちらに来る方も大勢いるので、名前を書いて待たないと入れない事が多いです。10分程度待って中に入れました。
今回は辻口シューとシノワーズというオリジナルティを頂きました。あぁ美味しかった♪
今回常設展に訪れてみて、21世紀美術館とは正反対だけれど、金沢の文化に深く根差しているこちらの美術館の価値を再確認することができました。なんでもっと早く来なかったんだろう~。企画展にまた参りますヽ(^o^)丿
店舗情報
店名:石川県立美術館
営業時間:9:30~18:00(入場は17:30迄)
住所:石川県金沢市出羽町2-1
電話:076-231-7580
定休日:年末年始/展示替えのため臨時休館あり
HP:http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/